purpose

  カンボジアは1970年の軍事クーデター以来20年に及ぶ内戦で国の基盤をあらゆる面で破壊され、失ってしまいました。
数百万人といわれる自国民虐殺による人材の不足はもっとも深刻な損失と言えます。これらが大国間の権力争いの結果として発生したことも銘記しなくてはなりません。

  カンボジアは1991年のパリ和平協定、1993年の国連統治下の総選挙を経て国際社会の支援のもとに復興の歩みを続けています。
ポル・ポト派の壊滅もこの歩みを加速しています。大規模な援助資金により市場経済は活性化し、都市の生活基盤も整いつつあります。しかし農村では繰り返される干ばつと洪水で収入は低迷し、土地を失う農民も出ています。
一方首都プノンペンでは農村からの移住者に加え、帰還難民や除隊された軍人などが劣悪な環境で生活しています。

  このような状況に触れた私達は、貧しい人々の生活を直接支える活動をしているNGOに協力し、人々が自分たちでコミュニティーを再建していく手助けをする活動を始めました。バッタンバンに駐在するるしな・こみゅにけーしょん・やぽねしあ(代表・松本清嗣さん)に協力して試験農場を開設し、資源循環型の農場モデルをめざす活動の中から村人が互いに学び合い、協力し合う関係をつくることに成功しつつあります。
またカンボジア人、日本人を問わずカンボジアで活躍する人を福岡に招き、福岡の人々がカンボジアの実情を知り、自分の暮らしとの関係について考える機会もつくってきました。

  これからは試験農場がある地域での活動に加えて、カンボジアの国レベルの政策にも注目していくことが重要です。先進国に暮らす私達の生活とカンボジアの人々の貧困の関係をリアルにとらえ、市民として日本政府や日本が出資している国際機関の事業を監視することも必要です。私達はカンボジアのことを考えながら、日本や先進国の社会のあり方も考えていきます。

  任意団体としてのこれまでの活動を引き継ぎ、より一層社会的役割を意識した活動とするために特定非営利活動法人の設立を決意しました。それは、地域の人々と共に国際協力や南北問題を考え、理解を広めていくことです。
国際協力は特別なことなんかではなく自分の生活の中に課題も可能性も存在するのです。
一人一人が地球市民として国際協力を盛り上げる、そのような潮流をつくり出すことに寄与できる会を、私達はめざします。

2000年9月23日
特定非営利活動法人 明日のカンボジアを考える会 設立総会


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